縮絨とは、特殊な薬品などを使用して洗濯し、生地に極端な圧縮加工を施すこと。
こうして縮絨加工をして出来上がった製品には、フェルト感のような古着のような独特の風合いと味が生まれます。
コムデギャルソン・オムプリュスが90年代に縮絨のシリーズを発表して以来、ギャルソンのライフワーク的アイテムと化した人気商品でもあります。
そこはギャルソンですから、ただの縮絨とは違います。
製品化されたウールのジャケットに縮絨加工を施し、ありえないほどクシャクシャに縮ませる。それには縮小率を計算した高い技術と、リスクがあり、そして革新性がなければできない商品でした。
今ではウールだけでなく、ポリエステルにまで化学薬品により縮絨をかけた商品を発表しています。間違いなくギャルソンの一番の売れ筋商品といえるでしょう。
(もちろんギャルソンだけでなく、その技術と風合いは、他のブランドからも発表されていますが…)
ただ大人気のこの縮絨、自分はハッキリ言って好きではない…。
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01 ファッション考察
ファッションと関係の深い色
ファッションと密接に関係する色には、深い理由がある物もあります。
ウェディングドレスでも白無垢でもそうですが、お嫁さんが白い服を着る理由は純潔を象徴するだけでなく、「あなた色に染めてください」という意味がこめられているのだとか…(笑)
一方男性が黒い服を着るのは、「もう何色にも染まらない」ということだそうです。
しかし「失楽園」がヒットを飛ばし、離婚率が年々上昇しているこの現代日本で、何だか本音はどうなのよ?と考えずにはいられません。(疑り深さにかけてはホームズ級ですから(笑))
で、再婚時はさすがに純白のドレスは控える人も少なくないとか…。なんか悲しいけど納得です。
ただ元々ヨーロッパの貴族達は白のドレスではなく、豪華な派手派手ドレスを着て結婚式を行っていたそうです。
ところがある英国王女が、当時では珍しく恋愛結婚で貧しい国の王子と結ばれた。そのとき質素を旨とする白いドレスを着たことから、結婚式で白のドレスが流行るようになったのだとか。う~ん、いい話だ…(涙)
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ファッションと客観性
ファッション指南書に必ず書かれているお洒落上達への近道、それは「姿見(全身鏡)」を買うことだそうです。
消費社会学者のジャン・ボード・リヤールは、「百貨店は店内を鏡ばりにすることによって、洋服の売上げを増大した」と言っています。
初めてそれを聞いた若い頃は、「ま~た、偉い学者はすぐコジつけたがるからさぁ」って思ったもんですが(笑)、いやいや、よくよく考えてみるとその通りかもしれないと。
つまり鏡という客観性に無理やりさらされることによって、自分を省みた結果、ファッションの購買意欲を増進させたということなのでしょう。
普段自分の姿はわからないけれど、鏡を通し自分自身を客観的に見ることによってわかるものもある。鏡で確認するとわかるのですが、意外と想像していたイメージと実際のコーディネートがずれているときも多いですしね。
似合う似合わないとか、シルエットの組み合わせ等を客観的に確認することはファッションにとても有効です。
そして、客観性によってお洒落は上達するものだと思います。
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「ワダエミの衣装世界」展について
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去年の年末の話になりますが、ワダエミ展に行ってきました。
ワダエミさん自身は、映画などで活躍する世界的衣装デザイナーです。
単なる衣装というよりも、非常に色彩感覚に優れた衣装デザインを発表しています。
その代表作である映画「HERO(英雄)」では、シーン毎に使われている色彩を変えているんですね。もちろん衣装もそれにあわせて赤や青、白、緑といったように全て色分けされているのですが、これが見事の一言!
例えば布地一つにとっても、理想の赤い色を出すために何度も染色に失敗したそうで…。そうやって苦労して生み出された布地だからこそでしょうか、あでやかな赤やオレンジ、ブルーが眼に焼きつくほどのまぶしい色合いを放っていました。
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デザインとは何か?
デザインには相反する6つの要素があるといいます。
(大昔に学校で習った記憶なので、あんまり当てになりませんが…(苦笑))
装飾性/機能性 独創性/統一性 個別性/社会性
これら6つの相反する要素を高次元でバランスよく統一することが、デザインにとって必要なことなのだそうです。
デザインというと、とかく装飾性、独創性、個性ばかりが取りざたされがちですが、実際はそれと相反する物の方を取り入れることの方が難しいといえるのではないでしょうか?
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服の右前と左前の違うわけ
服装の右前左前の違いを調べてみると、結構歴史の影響や、文化の違いがでてきますね。
洋服では男性が右前、女性は左前、和服では男女とも右前です。(和服で左前にする場合は亡くなった人だけですね)
大昔の日本では、騎馬民族の影響から左前の服装でした。騎馬民族は弓を使うため、左前の方が弓矢が引っかからず都合が良かったのですね。それが後に中国(隋や唐)の影響で右前に統一されたそうです。
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オタク文化とモードの融合
マンガに実在のファッションやらモードが持ち込まれるのは、もはや当たり前のこととなってきているようです。
矢沢あいはNANAに限らず、キャラクターにヴィヴィアン等の実在の服を着させてますし、三原ミツカズはヴィヴィアンどころか、ドメスティックブランドやら、男性キャラに明らかにドルガバのスーツとかネクタイとかを着させてました…。(わかる俺もオタク?)
まぁあまりにひどい場合もあります。週間少年ジャンプで以前連載していた「封神演義」。
その中の王天君というキャラのシルバーアクセサリーは、そのほとんどをクロムハーツからパクっていたせいで、実際に訴えられかけたそうです…。
漫画が写真家の映像を盗用したということで告訴された事例(沈黙の艦隊)はありますが、マンガ自体がパクリまくりの世界のため、実在のファッションをパクって訴えられる事はまずないといえますが…。
漫画業界よりも熱いのは、ゲーム業界でしょうか。
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難解!キリスト教図像学…
日本とヨーロッパでは花言葉も違うのですね。ところがさらに西洋では、黄色い花全般に悪いイメージの花言葉がついています。
なんでか?っていうと、黄色は十二使徒の一人、イスカリオテのユダが着ていた色だからだというのですね。キリスト教下では、黄色は裏切り者の色、そのイメージが強く根付いてしまっているわけです。
まぁ未だに敬虔なクリスチャンが黄色を着ない…なんてことはないと思いますが…(笑)(モーゼも黄色い服で描かれること多いけど、それはどうなのよ?ってツッコミはこの際ナシの方向で笑)
こういう文化によって決まってくるイメージってありますけど、特に欧米では宗教の影響はかなり強い。当たり前といえば当たり前ですけど。
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初売りセールと福袋について
1月2日、池袋西武によったあと、新宿伊勢丹の初売りに行ってきました。
なんじゃ~? この人ごみは~っ!
とにかく人の波というより、まるで人が虫のように服あさりをしている光景に、ぐったりしてしまいました。
しかしセールっていうのは、普段買物をしているのとは違った人種が集まっている気がしてなりません。
普段は全くこないくせに、セールのときだけやってきている人も多いんじゃなかろうか?(←自分のことは棚に上げてます…笑)
そんなこといいつつ、ちゃっかりクロケット&ジョーンズのブーツと、以前シップスで購入したパーカーの色違いのピンクを買ってしまいました(笑) すいません。
ところで初売りといえば福袋。今日は服飾における福袋について考えてみたいと思います。
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シャツのネックサイズの怪
今日はスーツに合わせる「ドレスシャツ」の話です。お洒落な人は「ワイシャツ」なんて呼ばないそうで、でもワイシャツちゃうんか?という気がしないでもないですが(笑)
ところで「ドレスシャツ」は、大抵ネックサイズ(首周り)であわせます。ところがこのネックサイズ、同じサイズ表記のくせに各メーカーによって全く実寸が違うのです!
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