ファッションブランド「GRASSROOTS」(グラスルーツ)-震災のその先を目指して…


1sin_tai

被災地の復興支援、自分にいったい何ができるのか?
そのことがずっと心のどこかで引っかかっています。

ブログ「念」でファッションの楽しさを伝えてくれていた藤原さんが、自らデザイナーとして立ち上げたファッションブランド1sin(イッシン)。
「ファッションビジネスを通じた社会的課題の解決に向けて取り組む」という活動理念の元に、被災地の復興支援という大きな課題に真っ向から取り組んで早二年が経ちました。
(1sinのこれまでの活動はこちらからご覧いただけます)
「One stitch one hope Project」
http://1sin.net/special/special01.html


そしてその藤原さんが、今回新たに「復興の先」に目を向け、【(有)スズキ企画】(宮城県南三陸町)と一緒にオリジナルブランド「GRASSROOTS」(グラスルーツ)を立ち上げるとのこと。
それに向けてクラウドファウンディングとして「READYFOR?」で“GRASSROOTS PROJECT”を行っています。

なぜ1sinではなく新たにブランドを立ち上げるのか、そしてそのブランドにかける想いなど、それはぜひリンク先を読んでみて頂けたらと思います。
【「READYFOR?」の“GRASSROOTS PROJECT”】
https://readyfor.jp/projects/grassroots


「GRASSROOTS PROJECT」の中でもその熱い想いはビシビシ伝わってくるのですが、ただそれよりも個人的に響いたのが、藤原さんが書いたグラスルーツのブログです。
http://grassrootsproject.net/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0/

藤原さんが、デザイナーとして、そして一人の人間として、悩みながらどのように社会やデザインに関わっているのか。
その体験がやわらかい語り口で話されていて。それなのにズシリとくる内容です。

デザインとはただモノを作るだけでなく、より良い社会を作る仕組みだと自分は考えています。
ファッションデザインに関わらず、何かを作ることを志す人には、ぜひお薦めしたい文章です。


ちなみにブログの締めにはグラスルーツというブランド名の由来が書かれています。

「カルチャーやムーブメントがストリートから生まれるように
復興もまた地域の人々の尽力のうえに成り立つと考えます。
“草の根”や“大衆”を意味するブランド名
「GRASSROOTS」(グラスルーツ)には、そのような意味を込めています」

「大衆」ってのはどっかの誰かじゃなくて、自分なんですよね…。
とはいえ正直自分にいったい何ができるのか、何をすればいいのか、なんて全くわからないというのが本音です。恥ずかしながら。

自分も震災直後にチャリティーバザーに参加したことがありました。
ファッションを通じて知り合った人たちと共に、服などを提供したり売り子をしたりしました。
ただそのとき色々手間取っていた部分もあり、買いに来てくれた人に、「チャリティーバザーってどういうことかわかってますか!」と問い詰められた、ということがあったんですね。

その人は、もしかしたら深い意味を込めていったわけではないのかもしれない。
しかしその言葉は自分の中に突き刺さって未だに答えは出ていません。

学生の頃読んだマーク・トウェインの著書「人間とは何か」には、こう書かれていました。
人間の行動原理とは、「自分の心が満足を得たいという衝動」、第一次的には「まず自分自身の安心感、心の慰めを求めるという以外には絶対にありえん」と。
誰かを救うのも、自己犠牲の精神も、まず第一にそれを見過ごせない自分自身の良心の呵責を安心させるためなのだという話で。

若い頃この本を読んで、逆に「あ、自己満足でいいんだ」と妙に納得した覚えがあります。
二次的に人のためになることもあるかもしれないけれど、まず自分自身が納得できるかどうか、それが大事なんだと思っていたわけです。
そして自分がチャリティーバザーに参加したのも、第一次的には自己満足でした。
誰かの為に行動できるほど自分は立派な人間ではありません…。

ただそれでも、自分も歳を取り、自分のための自己満足だけでなく、もっと違うものってないんだろうかと思っています。
自分だけの自己満足から、せめてカッコいい自己満足でもいいんじゃないかと。

そんなわけで迷いながらも進むために、自分自身の為にも「GRASSROOTS PROJECT」に微力ながら協力してみました。


また、デザイナーの藤原さんにもお会いして一部の商品も見せて頂きました。
自分が購入したいと思ったのは、デニムのボウタイ(蝶ネクタイ)です。(記事トップの画像の物)

1sinの時にも同じようなボウタイがあったのですが、それに更に改良を重ねたとのことです。
刺繍の可愛さもさることながら、小ぶりのボウタイは女性にも似合いそうです。

実際知り合いの女学生さんから、「この蝶ネクタイかわいいね」という感想を頂きました。
(自分が購入したいと思ったのは「女学生からモテたい!」と思ったから(だけ)ではありません…汗)

ホワイトバンドを例に挙げるまでもなく、ファッションってどんなに社会性をうたっても、一過性でただのブームで終わってしまうこともあります。
普遍的なデザインを目指すには、どこかで、カッコいいとかカワイイとか、「なんかいいなぁ」って思ってもらえることが重要なんだと思います。

このブログ記事が、そんな「なんかいいなぁ」のきっかけになってくれれば幸いです。

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