かねてより愛用している三陽山長の靴。
クロケット&ジョーンズの靴のラスト(木型)を研究して、結構影響を受けているのではないかと思っていました。
そこで今回三陽山長を紹介すると共に、クロケット&ジョーンズと写真で比較を行い、より詳細な違いに迫ってみます。
(ちなみにクロケットは1年弱使用した物で、山長は新品の物なので、使用感は比較対象外としています)
まず上からの写真。上側が三陽山長、下側がクロケットです。
今回比較するのは、クロケットはスタンダードモデル、ラスト348というモデルです。
ロングノーズのセミスクエアトゥで、クラシックな革靴の中でも最もトレンド感のある一足です。
実際スタンダードモデルの中でもトップ人気を誇っている物です。
購入価格約6万5千円。ただし今は為替の関係などで値下げされて、6万円前後になっているようです。
一方の三陽山町は、ラストR303。クロケットのラスト348に似た、これまたロングノーズのセミスクエアトゥです。
三陽山長は3万円クラスの廉価版以外はほとんどがセントラル製であり、こちらも同様になっています。
購入時の価格は5万5千円でした。(当時のクロケットと比べると1万円以上の差があるわけですね)
クロケットと三陽山長を比較して見てみると、クロケットの方がやや曲線的で、トゥが内側(親指側)に振っているのがわかるかと思います。
ラストR303は三陽山長の中でも最もロングノーズのタイプとして洗練されていて好きだったのですが、2年前に生産終了になっています。
今ではその後継ラストR309が出ています。
クロケットラスト348に似てトゥを内に振っており、また土踏まず部分をかなり絞り、ヒールもより小さくなり、トレンド感を持ちつつ、より色気のあるグラマラスなシルエットになっています。
更に今期から若干の仕様変更があり、イタリアのイルチア社の革を使うことによって革の艶と柔らかさを備え、本当にオススメの一品になっています。
さて、次の写真では実際の細かいステッチなどを見比べてみます。左が三陽山長、右がクロケットです。
すでに見てわかると思うのですが、山長の方がステッチが丁寧になっています。
またよく見ると、クロケットの方はストレートチップ部分が若干歪んでいます。
拡大して見比べないとわからない程度ではありますし、気になるほどではないですが。
3枚目は踵部分の写真。左がクロケット、右が三陽山長です。
ここでもステッチの丁寧さの違いが見てわかると思います。
また特筆すべきはヒールカップの曲線の違いです。
三陽山長の踵周り、外側部分は履き口のくびれから見事な曲線を描いており、踵のホールド感を高めることに繋がっています。
一方クロケットは、比較してみると明らかに寸胴な感じが見て取れると思います。
ラスト348等、クロケットの木型は踵が緩くてホールドがしっかりしていないと言われますが、実際に比較してみると如実に違いがわかるかと思います。
ここからは写真では読み取れない部分についてですが、
クロケットは昔と違い、今は革も柔らかく芯地も硬くないため、始めから非常に履き易くて馴染むように思われます。
ただ個人的感覚ですが、いつまで履いてもフィット感が上がらない感じがします。
一方の山長は革が硬く、芯地も硬い物がしっかり入っているため、とにかく履き始めが痛くて辛いです。
しかしそれが馴染んでくるとフィット感はとても高まり、履き心地も良くなってきます。
店員さんに聞いたところ、山長はそれまであえて国内産の頑丈なカーフを使うことにこだわっていたそうです。
なので傷や変なシワがつきにくく、とにかくガンガン履ける仕様になっています。
さて、今回は写真を交え比較してみましたがどうでしたでしょうか?
次回は実際1年使用した後のクロケットと山長の革靴の比較記事を書いてみたいと思います。
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コメント
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日本製とあなどっていた自分にはけっこう衝撃的でした。。。
> 匿名さん
今では雑誌で日本製の革靴特集が組まれるくらいですから、結構注目度もあがっているようです。作りも非常に丁寧なものが多く、必ずしも英国製が一番というわけではないと思います。
今後も靴の比較記事は書いていきたいと思っていますので、ぜひよろしくお願いします。
かねてから気になってたのですが、爪先を表現するのは「トゥ」ではなく「トウ」です。カタカナ明記で英語の発音を気にするのはおかしいですが、昔リーガルコーポレーションで働いていた際に同社長も同じ事をおっしゃっていました。
海外で「トゥ」は「2」です。日本の雑誌が全てトゥなので仕方ありませんが.....
> 匿名さん
「グランメゾン」に対する発音の批判に似ていますね。
現地の発音通りに表記するのが正しいわけでもないですし、ご本人自身も言ってますが、それを言い始めると元も子もない状態になってしまうと思うのですが。
所詮和製英語みたいなものと思って、割り切って対応すればよいかと思いますよ。
今日、御殿場のアウトレットに行ったら、丁度いい靴を見つけて買いました。セルジオロッシです。スエードのタッセル。色は青系、ネイビーと言えるかな。ここのサイズで5.5なので足がちっこいですね。
いつか、イギリス靴も履いてみたいですが、私には辛いんだな。
私の足は皮膚がとても弱いので、革が硬い靴だとあちこち傷める結果になってしまうので、そういう靴は怖くて履けないのです。痛くて一歩も踏み出せなくなる辛さを経験すると、やっぱり履けない。
そんな私にはイタリア製の靴はうってつけなんですね。気候の差なんて知ったことじゃないです(笑)おもしろいことに、なぜかイタリア製は、私の足の形に良く合うものが見つかります。洋服もそうだし。
南欧料理も好きだし。イタリアで生まれたほうがよかったのか?
英国のカチッとした感じにはある意味で憧れもあるのですが、なかなかそうはいかないみたいで。
値段は違うが、ハンドグレードと比較すれば、当然に評価は逆転するはず。
ストレートチップの歪みはハンドグレードも同様。ただし、これは立体的な木型を用いた証左であり、ネガティブ評価には繋がらない。JLにも形は異なるが同様の歪みがある。それこそが全体のフォルムに調和と甘みを与える。定規で引いたような直線の方がむしろ不自然。
ヒールカップの形状は、山長の方がボリュームがあるように見えるが、日本人の足に合わせて太り過ぎ。ハンドグレードのそれはJLに近く、細く切った足首から洋梨のような曲線で踵を包む。
悪いワインを100本飲んでもワインが解るようにならないのと同様、廉価版の比較に意味を見い出せない。
↑うるせぇ黙れ。
ここでは同じ価格帯の廉価な製品での
比較なんだよ。
今はハンドグレードの話なんてしてないわけ。わかる?
同じ価格帯の製品で負けてんだからダメなもんはダメなんだよ。
山長は商品構成が廉価帯しかないのだから仕方あるまい。
そのブランドを特徴づけるモデルで比較してこそ意味がある。
だからこそ「廉価版の比較に意味を見い出せない」とコメントした。
アーバン営業部には、もう少し頭を使ってコメントをしてほしいものだ。
>sunemihouseさんへ
ご存知ないようですが、三陽山長の代表的モデルにはプレステージラインというエドワードグリーンに匹敵するラインがあります。
オールアバウトの記事でも紹介されてます。
http://touch.allabout.co.jp/gm/gc/196775/
ヤハズで有名なこちらの靴は自分も履いていますが、クロケットのハンドグレードとは比較にはならないと思われます。(値段帯も若干高いですし)
ストレートチップの歪み部分に関してですが、木型に沿ってカーブする理屈はわかります。しかしクロケットは靴の左右で違っていたり個体による誤差がありますね。
生真面目すぎる日本の靴と比べるとそれが目立ちます。少なくとも自分の持っているエドワードグリーンクラスの靴にはそういったバラつきは見受けられませんでした。
ヒールカップについては、外国人の踵に合わせたものよりも日本人向けに合わせた形の方が合いやすいと思うのですが。クロケットのラスト348の踵周りは緩いです。また三陽山長は年々ラストを改良してより小ぶりのヒールカップのモデルも発表しています。
あなたは他の私のエントリーに持ってない靴について語るなとコメントしていますよね。しかしあなた自身が書き込んでる限りでは三陽山長の靴は所有していらっしゃらないようですし、情報もかなり食い違っています。
最後に、慇懃無礼な批判はやめてもらえますか。人のブログの掲示板に書き込む以上、マナーは守って頂きたいです。他の記事含めてこれ以上粘着コメントをされるようであれば残念ですが今後はコメント削除させて頂きます。
注意深く読み返して欲しいが、私は山長の製品に然したる批判はしていない。管理者の誤った認識を正し、批評姿勢に意見しているだけだ。
私のコメントに拠らずとも、他の方のコメントを見れば、管理者の発言が雑誌の「受け売り」で、「要点を外した議論」であることは明白だ。乱暴な批評には、厳しいコメントが寄せられて当然。それに耐えられないなら、無責任な批評は展開すべきではない。
ここで管理者のコメントを、さらに2点正しておく。
山長の「プレステージライン」は、2011年には職人の引退により生産中止となっており、今後生産が再開される予定もない。僅かに銀座の店頭に残る商品は、ボリュームゾーンを大きく外れた売れ残りで、パーツを再現できる職人もいないことから、実質的に廃番と考えて差し支えない。だからこそ私は、現在の「山長の商品構成には廉価帯しか存在しない」と発言した。
この点、直前の管理者の「山長にはEGに匹敵するラインがある」として、ご丁寧にもall about の古いURL(相変わらずの借り物!)まで指し示す反応は、全くの期待外れだ。
「知らなかった」というなら、勉強不足に過ぎる。確信犯でコメントしたのなら、批評者としての善意を疑う。「かつては頑張ればここまで造れました」という商品と「現行品」を比較して、どれほど意味があるのか訊きたい。
エビデンスを確認しなければ、このようなことはいくらでも起こる。管理者がどのように説得力を確保しようとしているのか理解に苦しむ。
また、管理者は直前のコメントで、彼のオールディンの批評に対する私のコメントに触れているが、一足も保有せずに批評している管理者が、実体験に基づきコメントしている者に反論できると考えているなら、勘違いも甚だしい。
私は、自身の所有するブランド以外は極力批判せず、実体験に基づき責任を持って発言している。因みに、私の所有する商品で最も造りが「甘い」のはEGだが、私はそれをEGの長所と捉えている。管理者にも「受け売り」を脱した、説得力ある議論を期待したい。
私の善意の指摘を「慇懃無礼」、「マナー違反」としか解せぬなら、削除して頂いて一向に構わない。しかし、それよりも削除すべき「2ch並み」のコメントがあるのではないか。その方がこのスレッドの『格』の向上に資すると考えるのは私だけではあるまい。
> sunemihouseさんへ
プレステージラインが生産中止になっているというのは知りませんでした。一次休止になっているだけだと思っていました。ご指摘ありがとうございます。
ただし、この記事を書いた当時はまだプレステージラインが生産中でした。また現行でプレステージラインと通常ラインの間に10万弱の高価格帯ラインもあります。
私個人としては同価格帯で比較しなければ意味がないように思いますが、もしあなたの主張で最高価格帯の物で比較するなら、プレステージラインが出てくるのは自然なことではないでしょうか。
比較対象をあなたにとって都合よいものに摩り替えて反論するのは、詭弁以外の何物でもないでしょう。
それとあなたは常に自分に都合よいように言い訳していますね。持っていない靴について批判するなということではなく、あなたの発言は、「自ら所有せぬ靴を語らぬ方が良い」という言葉です。
そしてあなたの山陽山長へのコメントを見るとヒールカップについてなど、どうみても批判しているように捉えられると思われます。百歩譲っても偉そうにクロケットより劣ると語ってますよね。にも関わらずこちらからの都合の悪い指摘については一切無視されているのも納得できません。
また持っていない靴について語るなと私は思わないですが、あなたが自分自身で自分のルールを守らずにいるのはおかしいと思われないのですか?
ちなみにオールデンについては私は所有していましたし、実際今も所有しています。古い記事の一部しか読まれていないので誤解されているのでしょうね。
あなたの発言がマナー違反だと言っているのは、自分の都合の良い価値観と詭弁を押し付け、他の人もそう思っているに違いないという勝手な憶測で、人の人格批判までしてきていることです。
しかもいい大人がため口でですよ。あなたは「悪いワインを100本飲んでもワインが解るようにならない」とか、コメント欄の他の方に対しても「もう少し頭を使って発言しろ」云々と、不躾すぎです。それでも自身は善意の発言だと言い切るのでしょうか。
記載情報について誤りがある場合は当然修正します。しかしあなたの発言は慇懃無礼以外の何物でもないですよ。それについて全く省みないのであれば、有意義な意見交換にならないと思われますので、これ以上粘着して書き込まないでいただけますか。
コメント欄含めた意見の内容は読者が判断すればよいと思います。
以上です。
管理者が山長への批判と解しているのは、管理者のC&Jへの批判に対する私の反論を、山長への批判と勘違いされているのでしょう。私の意見は、山長への批判ではなく、管理者の姿勢に対するコメントです。
ご自身の文章を頭を冷やして読んで頂きたいのだが、管理者は自身の文章の中で根拠が充分でない『批評』を多数展開しています。それを棚に上げて他人の反論に耳を塞ぐのは、フェアとは言い難い。
そのような文章に対しては、私でなくても、気骨ある論客はいつでも論戦を挑んでくる。そして、都合の悪いコメンテーターに「削除する」と脅して逃げ回っているようでは、いつまで経っても議論に説得力は生まれない。他人の意見を甘んじて受けられないのなら、このようなスレッドは立ち上げるべきではないでしょう。
私なら、他の方のコメントにあるように、雑誌記事を都合よく切り貼りしたものを自分の意見として掲載するのは「恥ずかしい」と感じ、大幅修正するか削除します。
いずれにせよ、自身の意見を持たず、善意の意見を「粘着コメント」と評する方とは、議論が噛み合わないので、これ以上コメントは差し控えます。
sunemihouseさんの反論切れ味よすぎですね(笑)管理人は同じことを繰り返しているだけですし、反論できていないと思います。でも、今回のことを契機に反省をして素晴らしい批評が見れる日を楽しみにしています。
ログを確認したところ、別人の振りをした同一人物による荒らし行為がッ継続的に行われており、暫くコメント欄を閉鎖します。
上記含め一部の誹謗中傷コメント等は削除させて頂きました。
コメント欄を開放していたのは、建設的な意見交換ができるかもしれないと思っているからですが、実際には揚げ足取りの詭弁や、荒らし行為が行われることが多く残念に思っています。
記事内容等にご意見、また不備やご指摘等ありましたらお手数ですがメールにてご連絡ください。
確認後に情報に不備がある場合は修正いたします。ご了承ください。