02 ブランド考察

ヴィヴィアン・ウエストウッドを着こなせるのか?


ヴィヴィアン・ウエストウッドはとても多面的なイメージを持つデザイナーズブランドです。

http://www.tsushin.tv/brand/london/vivienne.html
上記解説ではこのように書かれています。
「最近は、時代の風潮に合わせてアグレッシブなスタンスから、フェミニン且つエレガントなモードへとスタイルが変化」

初期はパンクスタイル、アヴァンギャルドだったものが、過去の英国調クラシックを取り込みつつ、更に本来紳士服で使われている技法であるテーラリングをレディースへと持ち込み、非常に構築的で優雅なスタイルを作り上げていきました。
そして今ではモードの女王と言っても過言ではない堂々たるモードブランドと化しています。



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服オタはなぜコムデギャルソンを叩くのか?


お洒落の終着駅と称されるコムデギャルソン。
ファショコン通信のブランド紹介文では、こう言い切られています。

「人目もはばからずギャルソン嫌いを公言する人は、考えられるあらゆる批判に配慮した、一端の論文がかけるくらいの知識を得ておく必要があるだろう」
http://www.tsushin.tv/brand/paris/garcons.html

もはや名言といっても過言ではない評言ですよ!(笑)

にもかかわらず、コムデギャルソンを批判する、時に毒舌で切りまくるブログや人が後を絶たないのは何故なんでしょうか?
(コムデギャルソンを着てる人を批判するのは、また別の話ってことで…笑)

今日はその辺の微妙な問題(笑)に迫ってみたいと思います。

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ブラックバレット バイ ニール・バレット(Blackbarrett by Neil Barrett)


遅ればせながら、ブラックバレット バイ ニール・バレットを見てきました。

感想は、「手堅い」、そして「ニールバレットらしさを出しつつも非常にシンプル」。
今更解説は不要かもしれませんが、一応知らない人のために説明しておきます。ニールバレットはグッチ、プラダのメンズデザインを務めた後、1998年に自身のブランドで華々しくデビューを飾ったデザイナーです。

初期の頃はミニマルな中にもギミックやディテールで遊びを出したデザインが多く、何より価格も安くて非常に嬉しいブランドでした。

ブルゾンなどのカジュアル類がうまいというイメージが強く、当時の服は自分も幾つか持っています。

その後は流行に流されすぎず、よい意味で中庸なモードスタイル、シャープなシルエットを構築していきますが、値段も高騰して今ではラグジュアリーブランド並みの価格帯になってしまいました…。(今ではとても手が出ないですね…苦笑)

とにもかくにも、非常にバランス感覚のよい玄人受けデザイナーという印象があります。

そんなニールバレットが、今期、三陽商会とライセンス契約を結び、世界初となるセカンドライン「ブラックバレット バイ ニール・バレット」を立ち上げました。今もっとも注目度の高いブランドだと思います。
価格帯はポールスミスやタケオキクチ、コムサデモードなんかと同じなので、非常に良心的ですし(笑) (ジャケットで4万弱から、シャツで1万5千円くらい)

商品の構成はどれもとてもシンプルでした。
正直「これが売り」となるデザインはないのですが、逆にあざとさがなく、コムサデモードのような流行色が強すぎる物もないので、非常に取り入れやすい。
着丈の短いモードなJKもありますが、ギリギリオンでも使えそうなスーツも用意してありました。

三陽商会のライセンスだけあって、縫製、素材も手堅く作られています。あえて言うなら遊びが少ないかなぁという感じですかね。
でも雑誌ポパイの解説や、店員さんからの説明でも、一応ニールバレット側がデザインをチェックしているということなので、その点でも安心ですね(笑)

モード入門には適したブランドだと思います。

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ato(アトウ)のスーツを買いに行く!


先日、ファッション仲間と共にショッピングを楽しんできました。

表参道のコムデギャルソン前で待ち合わせ、お目当てはすぐ近くのato青山店でした。
ギャルソンも寄らずにatoへ直行(笑)

atoと言えばデザイナーは松本与(あとう)氏。パイオニア社長の御曹司で、井川遥と結婚した、最近大注目のデザイナーです。
http://www.tsushin.tv/brand/tokyo/ato.html

昔は繊細な細身シルエットに面白いギミックがという感じだったのですが、最近はさらに洗練された独自のモード観による服が素敵です。値段も非常に良心的ですし(笑)

(昔は本人はほとんど雑誌などに露出しなかったのですが、親の七光りでなく実力で地位を勝ち得た現在、デザイナーとしても確立したためか、結構インタビューなどに載るようになって来ました)

気になる人は、下記インタビュー記事なんかもあります。
http://www.wretch.cc/blog/endlos&article_id=10081501

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PLAY(プレイ)コムデギャルソンの憂鬱


随分前から、PLAYコムデギャルソンが飛ぶように売れているらしいのです。

プレイコムデギャルソンといえば、基本的にはコムデギャルソン入門用として、ハートマークのキャラクターを売りにしたギャルソンの低価格定番ライン。
敷居が高かったギャルソンの間口を広げるという意味では初心者にも嬉しい配慮であり、またギャルソン好きにも普段着用、ワンポイントデザインとして受け入れられているようです。

確かに赤いハートマークのキャラクターはそのデザイン自体が可愛らしく受け入れやすいし、デザインとしては非常にわかりやすいと思います。

街中でも若者が着ているのをよく見かけますし、一時期はギャルソン青山店の表にプレイボックスなる出店まで出る盛況ぶりでした。
ところが一方で、みんなが着ているから遠慮してしまうという人や、品質に問題が…、そしてコムデギャルソンの本質と違うという否定派の意見も聞こえてきます。

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情熱大陸/green 大出由紀子~ファッションデザイナーという職業の限界


今回は前回「情熱大陸/green 大出由紀子~ファッションデザイナーという職業の疑問」の続きです。

さて、大出さんは何故ファッションデザイナーではなく、「洋服屋」を名乗るのでしょうか?

ファッションデザイナーとは映画で言えばプロデューサー的立場でしょうか。だからパターンが引けないからダメとか、デザイン画さえ書いてないとか、…必ずしもそういう技術的なことだけでは判断できない。結果的に素晴らしいデザインを作り上げられるなら、どんな体制だろうがかまわないと言えます。

常に流行を意識して、新しいものを生み出していくクリエイティブな職業…というのが、大方のファッションデザイナーのイメージでしょうか。

もちろんデザイナーズブランドとテーラーとは違うものです。が、同じようにファッションデザイナーと洋服屋も違うものです。違う物ですから、わざわざデザイナーが職人を名乗る必要はないわけです。(大出さんは明らかに職人的な意味合いで、「洋服屋」という言葉を使っていると思うので)

ところが大出さんはデザイナーではなく、わざわざ「洋服屋」と名乗っている…。

それは自信や自負心からくるものだけでなく、実は「挑戦」的な意味合いも多分に含まれているのではないか…というのが、今回のブログを書くきっかけでもありました。

洋服屋を名乗る以上、背負わなければいけない物があるはずです。そうでなければ、デザイナーに対しても、本当の洋服屋に対しても、失礼な態度となってしまうでしょう…。

「命懸けで洋服屋やってます」と言っておいて、テーラーとは比べないでくれ…というのも変な話ではないでしょうか?逆に彼女は比較されることを自ら望んでいるようにさえ思えるのですね…。

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情熱大陸/green 大出由紀子~ファッションデザイナーという職業の疑問


今日はファッションデザイナーという職業がなんなのか、について考えてみたいと思います(笑)

TV情熱大陸で、新進気鋭の若手デザイナー、greenの大出由紀子さんが出演。

http://www.mbs.jp/jounetsu/2006/10_15.shtml

その番組を見ていた人達は、自らをデザイナーではなく洋服屋と呼ぶ大出さんのこだわりに、共感し賞賛したに違いないと思うのです。徹底的に素材や縫製にこだわって作るその姿は、とても真摯でまっすぐです。greenの人気の高さにも納得がいくでしょう。

でも自分は彼女の言葉に、脳髄の奥でチリチリとした違和感を覚えずにはいられませんでした。というのもファッションデザイナーという職業の考え方が、実際の洋服屋とあまりにギャップがあるように思えてならなかったからです。

彼女はこういっています。

「一回着てダメになっちゃうようなものは絶対作らない。作りたくないって、いっつも思ってます」

一回着てダメになるような服を作っているデザイナーも確かにいますが(笑)、そんな底辺のデザイナーと比較して一体何が言いたかったのでしょうか?

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ジュンヤワタナベを斬る!


コムデギャルソンの川久保玲に見出され、今や世界に認められるデザイナー、渡辺淳弥。今日はそんなジュンヤにメスを入れてみたいと思います(笑)

ジュンヤはレディースでは素晴らしいコレクションを発表していますし、もちろん非常に才能あるデザイナーだと思います。

でも恐れずにいうならば、私はジュンヤが好きではありません。

川久保玲をはじめ多くのデザイナー達が、レディースとメンズ服の違いについてのインタビューをうけ、こう回答しています。 「メンズには制約があり難しいが、その分挑戦のしがいがある」と。

ところがただ一人、「メンズとレディースについて違いは感じない。気分の問題だけ」と答えたデザイナーがいました。
それが渡辺淳弥です。彼はジュンヤワタナベ・コムデギャルソン・マンの発足時のインタビューにそんな問題ある回答をしています。

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メンズモードの制約とは?


メンズモードには多大な制約があるようです。

川久保玲は「メンズには制約があり難しいが、その分挑戦のしがいがある」と言っています。

ところが同じように、メンズの制約を意識しているデザイナーはとても多い。ヨウジヤマモトトム・フォードエディ・スリマンマックイーン、そのほか名だたる一流デザイナー達が、メンズの制約について川久保玲と同じように語っています。

ではそのメンズの制約とはなんなのか?

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ライセンス商品はアリか?(2)


さてライセンス商品はアリかナシか?の続きです。服飾業界でのライセンスはどうなのか?

ブランドイメージを壊さないように大切にしながら、うまくライセンス契約を結んでいる成功例としては、三陽商会でしょうか。バーバリーの日本正規代理店です。

バーバリーの英国製コートは、元々縫製に関しては最高峰といえる定番商品です。(イタリアの手縫い製品とかは別として) ライセンス商品である日本製のコートは定価半額程ですが、それでも縫製に関しては相当丁寧です。元々三陽商会自体が、コート作りにかけては定評のある会社でもあるからです。

今でこそバーバリーといえば売れ筋のイメージがありますが、テコ入れでコレクションを始めるまでは本国での評判はイマイチだったとか。そんなのもあってか、三陽商会は日本独自のライセンス商品の発売を企画するのですが、やっぱり始めは相当難色を示されたようです。

ただそれまでの厳しいライセンス商品の作りにより信頼を得ていた三陽商会だからこそ、日本独自ラインのバーバリーブルーレーベル(後に男性向けのブラックレーベル)を作る事を許された。(一応本国で企画チェックもされているようです) バーバリーというテイストを使って、日本人受けするように計算されたそのラインは大成功を収めました。

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