今、密かにファッションヴィクティムたちの間で話題になっている、日本のブランドをご存知だろうか!
その名もコーヒー&ミルク。
和製アントワープ、モード界のニューウェーブの登場である!
90年代後半に大いにオーディエンス服オタたちを沸かせたアントワープ出身デザイナー達!
今その正当なスピリットを受けついだジャパンブランドが、コアなファンの間で人気となっている!
かのアメカジにおいていかんなく男たちを魅了して来たビームスが、渾身のデザインで送るそれは、アントワープデザイナー達へのリスペクトをしつつ、新しい時代の幕開けを感じさせる予感に満ちている!
アントワープデザイナーに対し、「彼らのフィロソフィをcoffee and milk流にポップにキャッチーにエディット」
と言っているが、ビームス独特の骨太なアティチュードを確立しており、もはやこれが去年できたばかりの新人バンドブランドとは思えない存在となっている!
こんなバンドが出てきたのは、もはやコムサデモードメン、イネドオム以来ではなかろうか。
例えば、今期COACH JACKET。美しいほどのミディアムナンバー。
ブルゾンに施されたラフシモンズ、ドリスヴァンノッテン、アンドゥムルメステール、マルタンマルジェラのパッチには、かつて青春時代に彼らのヴァイブスに踊らされた人たちにも、懐かしい思いと共に新しいアシッドでクラウドなサウンドを感じさせる出来に仕上がっている!
特にアントワープシックスを途中脱退したマリナイーや、今やアントワープの顔ともなったウォルターヴァンベイレンドンクなどを排除し、あえてのダークビッケンバーグを乗せないことで、彼ら珈琲牛乳のアイデンティティと強力な存在感を放射しているのだ!
またカーディガン前面に四つ打ちサウンド四つ糸を持ってくるというのも新人ならざる手法!
リズムセクション自体は取り立てて絶賛するほどの物でもないが、しかし、いまやマルジェラ特有のサウンドアイコンと化した四つ糸も、彼らの手に掛かればクロスオーバーで斬新な表現に打って変わってしまう!
もはやリスペクトの域を超え、アンサーソングを持ったアーティストの特質が歴然と表現されている。
まるで元々が四つ糸が彼らのオリジナルであると勘違いしてしまうくらいにである。
とはいえこの手の新人バンドは得てして既視感や軽いサウンドになりがちだが、その点でも珈琲牛乳は手を抜かない。
ニットで3万円台という、大御所ニットブランド、ジョンスメドレーと同価格帯という意気込みようであり、それは新人バンドには一種無謀な挑戦に見えて、その実、決して自分達のスタイルを崩さないという、彼ら特有のオリジナリティーを放出しているのだ!
その恐ろしいほど覚えやすくシンプルな曲 服の数々が矢継ぎ早にセールに放出されるとき、それはもうラストナンバーに用意されることの多いギャルソンの縮絨以上に、彼ら固有の唯一無二の、枠にとらわれないエモーショナルなギグに繋がっていく!
これだけの物を作り出してしまった彼らは、今後多くのオーディエンスの期待にどう答えるか、これからも目が離せない。
珈琲牛乳がこれからどれだけ巨大になっていくのか、モード界の革命児たる彼らと共に、今われわれは新しい時代の幕開けに立ち会っているのかもしれない!
コーヒー&ミルク―モード界のニューウェーブ!
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コメント
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はじめまして
音楽系で攻めるとはこの記事ナイスで、素敵です!!四つ打ちのくだりで珈琲吹きました
ブランドもサンプリング時代になったのか???
おっしゃるとおり珈琲牛乳はある意味リスペクトを越えてますね、堂々と公言すればパ*リも
リスペクトになるんでしょうかね。。。。
> snoozerさん
笑って読んでもらえたようでなによりです。
サンプリングについては、そういう方法論もありだとは思うのですが。
とはいえ珈琲牛乳さんは、ネタ服以外の解釈が見つからない気もします。
あの価格帯でどんな人が買っているのか、気になるところではありますね…。