ジェリービーンズ(1) (なかよしコミックス)
安野モヨコ
世にあるファッションを題材にした漫画の中で、最もデザイナーになる夢を描いているのが、安野モヨコの「ジェリービーンズ」だと思います。
主人公のマメは、ファッション雑誌のCUTiE キューティのオシャレキッズに投稿するような、ファッション好きの女の子。
そのマメが洋服を作る喜びに目覚め、不安と葛藤する中でファッションデザイナーを目指していくというお話です。
安野モヨコ作品のわりには破綻が少なく、ラストもハッピーエンドでまとまってるんですね。これかなり希少じゃないかと。
でこの作品には、ファッションデザイナーを目指す服飾専門学校の学生や、デザイナーにとってもすごく突き刺さるセリフがでてきます。
そんなセリフをざっと書き上げてみると、
マメが作った服に対して、モデルの女の子が言い放つセリフがこれ。
「モデルが着たらカワイく見えるの当たり前じゃん。それがシゴトなんだから
スタイル悪いならよく見える服つくればいいじゃん。モデルのせいじゃないよ。服が悪いんだよ」
マメが専門学生になって、トップモデルになった友達にデザイン画を見せたときに言われるセリフは、結構痛いものがあります。
「つまんない服ばっか。次のコレクションからはやりそうなモノを写しているだけじゃん。
みんなどっかで見たよーなのばっか。退屈。つまんない」
そして悩む主人公マメは、尊敬する先輩にその悩みを打ち明けるのですが、
「この世界に入った時から誰もが歩く、孤独な夜
才能なんてないんじゃないかって本当はわかってる。
あせりとくらやみ あたしは何も持ってないの
表現したいものも…ほしいものも
みんな…「流行している何か」を
追っかけてるモノを自分から出てきたように思ってただけで
あたしどうすればいいの?」
先輩はこう答えます。
「それでも服をつくる。好きだからつくる。
たとえ「誰も見たことないドレス」を発明できなくても、着たいと思う服を、みんなに着て欲しい服を…
オレ達はつくっていくしかないんだよな」
そして主人公のマメは最後に、自分の作りたい服を目指すようになるんですね。
「「特別な人」のための服じゃなく
ふつうの女の子が特別になれる服
みんなが幸せになれる服!!」
これ現役のデザイナーさんや、デザイナー志望の学生さんなんかには、絶対読んでもらいたい本のひとつです。
安野モヨコ「ジェリービーンズ」全4巻
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コメント
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ジェリービーンズは俺が専門学校時代に読みました。夢や希望に満ち溢れたすばらしい作品だと思います。このマンガを読んでデザイナーになりたい!ってゆう女の子がたくさんいたことでしょう。
現実(リアル)を知るのは後々でいいんですよ・・・ ヒヒッ
ちなみにジェリービーンズ、パラダイスキス、王様の仕立て屋は服飾専門学校生のバイブルですよね~
> もり男さん
> 現実(リアル)を知るのは後々でいいんですよ…
怖い一言ですね~(苦笑)
あと絶版になってますが、オーダーメイドという女性仕立て屋の漫画もあります。
この辺の服漫画は服好きにはたまらないものがありますね~。
あぁ~そういえばオーダーメイドありましたね~
偶然古本屋で見つけて買ってしまいましたよ~
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