広告の恐怖~アドバタイジングデザイン


デザインの中でも花形の広告業界、その広告デザインは、アドバタイジングデザインと呼ばれています。

今日はその広告の恐怖を書いてみたいと思います。

よく言うじゃないですか、ヴィトンのバッグとか持ってる女性は、ブランドに踊らされてるって。
でもそれ、じゃぁその発言する人はメディアに踊らされてないのでしょうか?

あなたは毎日シャンプーしていますか?
多分多くの人が、特に女性は毎日シャンプーするでしょう。
まぁ普通は最低でも二日に一回くらいは風呂入るでしょう。

逆に風呂もシャワーも毎日入らないっていう人は、不潔扱いされる。
でもこれって現代日本特有の潔癖症過ぎる習慣ということのようです。
海外では(先進国はどうだかしらんが)、そこまで清潔にしてる国の方が珍しい。

わずか数十年前は毎日じゃないし、風呂には入っても髪は毎日洗わなかったそうです。
それが瞬く間に潔癖症過ぎる価値観が正当化された。
これって、実は広告の力なんですね。


シャンプー会社はこう考えました。
シャンプーを売るためには、もっと風呂に入って髪洗いまくらせる必要がある。
そこでシャンプー会社は広告を使って、毎日清潔にすることを刷り込みました。
おかげでシャンプー会社は儲かった。

しかしそれでは更に売ることはできない。どうすればよいのか。
今度はシャンプー会社は一日二回シャンプーさせることにしました。
朝シャンという概念を刷り込めば、更に儲かると考えました。

とはいえ、朝は忙しく、朝シャンプーとリンス両方使っている暇はない。
そこで「ちゃんりんしゃん」、リンスインシャンプーを開発し、
それを広告を使って刷り込みました。

おかげでシャンプーは更に売れましたが、逆に困ったことになりました。
リンスインシャンプーでは、リンス売れねぇじゃん。
みんな適当にリンスインシャンプー使っちゃうじゃん。

そこでシャンプー会社は更に高い商品を売るために、戦略を練りました。
個々にあった、シャンプーとリンスを使い分けることが、髪には大切なんですよ!と。

そうやって長い年月をかけて、広告の力によって人の価値観さえ刷り込んで、
日本人は世界有数の潔癖症国民になりました。

でも実際じゃぁ宣伝してるシャンプーっていいの?というと、
実は全然良くないです。
植物性云々語ってても実際は石油まみれ、この辺は他に詳しいサイトがいっぱいあるので、検索すればすぐわかります。
とりあえずいうなら、まともな美容師は絶対ツバキやダブなんか薦めないってことです。

でも多くの人はそんなところまで見たりしない。
みんなメディアや広告の力によって、意識無意識に関わらず価値観さえ刷り込まれているんですね。

シャンプー毎日使ってる人が、はたしてメディアや広告に踊らされてる人たちを、嘲笑することができるのでしょうか?
もちろん程度の差はあることはわかっているとしてもです。

デザインとはよりよい社会を作っていける、素晴らしい物だと思っています。
でも一方でデザインは平気で人を落としいれ、バッタモンを売りつける恐ろしい一面も持っているわけです。

広告の力というのは、人が思っている以上に強く、刷り込まれ、そして利用されている。
それを意識して取捨選択できる己の価値基準でさえも…。
それを正当化すること事態がとても狭量な世の中なのかもしれないと。

どうか多くのデザイナーに考えて欲しい。
デザインはあくまでビジネスであるけれど、それでも社会や人により良い形を提案するのがデザイナーの役目なのだと、私は思っています。
逆に言うのであれば、いくら優れたセールス力とセンスを持っていようとも、より良い形を提案することなくただセンスでデザインを作っている人を自分は信用できない、のだと。

それはとても困難なことですが、せめてその意識だけは持っていて欲しいと願ってしまいます。


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