05 映画・小説・漫画

北野武「キッズ・リターン」の映画解説


キッズ・リターン [Blu-ray]
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言わずと知れた北野武監督の「キッズ・リターン」

結論から言うと、この映画の見所は、ずばり自転車のシーンです。
冒頭の自転車の二人乗りのシーンと、ラストの自転車の二人乗りのシーンが対比して描かれています。

この映画、観ればわかるように作られています。
なので解説なんかいらない映画だと思うんですが…。
しかしネット上だと意外にちゃんとした映画批評が少ないんですよ。
ラストの自転車のシーンの台詞ばかりピックアップされてて…。

はっきり言って、この映画一回しか観ていない、映画マニアでもない自分ですが(笑)
記憶を掘り起こして解説してみたいと思います。(なのでまぁ気軽に読んでください)

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ゆとりもわかる映画解説「パラダイス・キス」


パラダイス・キス [Blu-ray]
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「俺の愛するジョージがどこにもいねぇッ!」
と原作ファン全ての人が叫んだと思うこの作品!
まぁミスキャストは始めからわかっておりました…涙目

でもここまで酷いとは…ちょっとビックリなので、今回ブログ記事にしてみます。

そもそも日本には成功したファッション映画というのが少ないです。
近年だと「下妻物語」とか「NANA(一作目)」くらいでしょうか。(「さくらん」は微妙なところか…?)
NANAは漫画以上に立派なヴィヴィアン宣伝映画になってましたし(笑)

とはいえどちらも原作付き、ファッション映画が少ない理由は原作頼みの邦画業界で、ファッション原作が少ない理由でもあるような気がします。
(そもそもファッション映画観たい層は海外のお洒落ムービー見るから邦画なんて眼中にないのかもしれませんが…)

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「ジョジョの奇妙な冒険」荒木飛呂彦の奇妙な伝説


SPUR (シュプール) 2011年 10月号 [雑誌]
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ついにッ!!ファッション業界にまで荒木飛呂彦が侵食しているッ!

荒木氏のグッチネタの漫画付録つき「SPUR 2011年10月号」は即完売ッ!
今やネットでもプレ値で取引されている状況…。

それに合わせて新宿グッチで行われている『荒木飛呂彦×GUCCIコラボ展』は毎日長蛇の列とのこと。

カルト的人気を誇っていた荒木先生の凄さも、ついに一般人にまで広く浸透した、といっても過言ではないィィィーッ!

というわけで、今回は知られざる荒木飛呂彦の伝説について語ってみたいと思います。
(まぁもう随分古い話だし、時効だろうと思うので…)

かつて荒木飛呂彦がジャンプ漫画賞の手塚賞を取ったときには、滅多に人を褒めることのない手塚治虫が、「こいつは、天才だ…ッ!」と語ったとかなんとか。
真偽はともかくとして、そんな逸話が色々あるわけです。

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最近の歌詞は安直なのか?


作詞の勉強本 「目線」と「発想」の拡大が共感を生む物語を描き出す鍵となる
島崎 貴光
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歌の歌詞の中で一番使われる言葉は、「愛」なんだそうです。
世の中には本当の「愛」が少ないから、逆に「愛」の歌が求められるんでしょうか。

しかし最近の歌の歌詞を聞いていると、あまりに安直なものが多すぎるのではないか…と思ってしまいます。

なんというか昔はもう少し歌詞に想像力を働かせる部分とか、隠喩的表現があったように思うのだけれど。
今では感情ちょく出しの歌詞が非常に多いんですよ。

映画に例えると、戦争反対というテーマをいいたいだけなら、単に反戦運動に参加すればいいだけの話です。映画でそのテーマを語るということは、いかにそのテーマを物語にうまく反映させて観客に提示できるかだと思うんですね。

歌詞もそれと同じで、例えば恋愛の歌なら、ただ好きだという言葉を使うのではなくて、好きだという感情をもっと具体的なエピソードや行動に落とし込むことが大切なはず(だった)。
作詞家は直接語るのではなく、高度な表現方法を用いていた。そして読み手もそれを理解する経験値があった…と思うのですね。

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映画「ダーククリスタル」とブライアン・フラウドの画集


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映画「ダーククリスタル」の設定画集を購入しましたよ~!

スゲエ、ブライアン・フラウド(フロード)の画集だぜぃ、洋書で5千円!しかしこのレベルなら資料価値としても決して高くない!

映画「ダーククリスタル」について知らない人に説明しておくと、全く「人間」が出てこない、人形劇のファンタジー映画。

しかし侮っちゃいけません。今から20年以上前の作品なのに、その世界観の素晴らしさは今見ても秀逸、というか神レベルですよ!

お話はダーククリスタルの力を使い復活をたくらむ悪の種族に対し、それを阻止しようとする主人公とヒロインというお約束の展開なのですが…。しかしそれも世界観の美しさ、丁寧な筋運びによって全然あきさせないつくりになっております。

というよりこの作品は話うんぬんより、その技術力と映像美を堪能する作品といえますね。

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ボーイズラブの世界!(その2)検索ワードの怪…


このブログにもアクセス解析がついているので、アクセス数の多い記事とかリンク元とかもわかるんですが、一番変なのが検索ワード。

このブログの一番多い検索ワードは「alceste」です。

ハンドルネームのAlcesteは、モリエールの戯曲「人間嫌い」の主人公の名前「アルセスト」からとっています。
Alcesteの検索ワードで一番初めに表示されているから、それで検索する人が多いのもわかる気がするのですが、ちょっと変な気分ですね~(笑)

その他はやはりファッション関係の用語で検索してくる人が多いわけです。
しかし中にはとんでもない検索ワードでやってくる人もいます。

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安野モヨコ「ジェリービーンズ」全4巻


ジェリービーンズ(1) (なかよしコミックス)
安野モヨコ
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世にあるファッションを題材にした漫画の中で、最もデザイナーになる夢を描いているのが、安野モヨコの「ジェリービーンズ」だと思います。

主人公のマメは、ファッション雑誌のCUTiE キューティのオシャレキッズに投稿するような、ファッション好きの女の子。
そのマメが洋服を作る喜びに目覚め、不安と葛藤する中でファッションデザイナーを目指していくというお話です。

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「魚喃キリコ」好きはどんな音楽が好き?


Water. (Feelコミックス)
魚喃 キリコ
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以前このブログでも紹介した、「くすぶれ!モテない系」。

久々にサイト見に行ったら、書籍化だそうで!
一部で話題になってたから、書籍化はよくわかるんですが…。

過去の記事、見られないようになってるじゃないですかッ!(怒)

書籍化に伴う、サイト記事の削除…大人の事情ってヤツですか~!
なんかズルいなぁ、と思うのは自分だけでしょうか?

ところで、そんなマイノリティ派のモテない系女性に大人気だと思われるのが、魚喃キリコです、が…。

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ボーイズラブの世界!


BLと書いてボーイズラブ!

ボーイズラブとは、美少年同士のフォッォォ~ッビドゥンっぅン(禁断)の愛の世界をたっぷり描いた、小説や漫画などのことです。

今や時代の最先端をいく、腐女子ご用達、初期装備のアイテムです(笑)
いわばドラクエでいうところの「こんぼう」に当たるワケですね。
(なんか「こんぼう」とか書いといてなんですが、深い意味でとらえられそうで怖い…)

ここからしばらくは、ボーイズラブがどのようにして生まれたのか、その暗黒の歴史を紐解いてみたいと思います(そんなの誰も望んでないよ!)

ボーイズラブに嫌悪感を持つ人は、この先読まない方がよいでしょう…。



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映画「ロード・オブ・ザ・リング」をぶった斬る!(後編)


指輪物語の映画化「ロード・オブ・ザ・リング(The Lord of the Rings)」についての評論(後編)です。

壮大なスケール感や、指輪物語の世界観をここまで映像化したのはすばらしいと思います。
しかしその反面ドラマは大味で、各キャラクターの動機付けが丁寧に描かれていないため、いまいち感情移入できないんですね。
戦闘シーンは繰り返し感が強く、乗れた人はよいものの結局ここで乗れない観客は置いてきぼりを食らってしまう。
この映画本来のテーマは別の所にあるわけで、表層的な戦闘シーンはもう少し少なめでよかったのではないでしょうか。



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