ワードローブ紹介第1回 コムデギャルソンコレクション 「黒ギャバ!」


01_Plus_1998AW_01
今回は自分のワードローブのギャルソンコレクションから、一着を紹介します。

コムデギャルソンの過去の服を見たいという需要がある様子。
またギャルソンのアイテムそのものを紹介してデザインの良し悪しを語るようなブログはあまり無いようなので、コーディネート披露もかねて企画ネタとしてやってみた感じです。
とりあえずは色々手探り状態なのですが、ネタに困ったら…希望があれば今後も続けていこうかなと考えています。

とりあえずの一回目は、やはりプリュスの1998年秋冬、シームデザインのブルゾンを紹介してみたいと思います。


縮絨と並んでプリュスの代表的デザインといってもいいシーム、まずそのシームデザインの何がすごかったのかを自分なりに語ってみます。
元々メンズモードのデザインというのは非常に限定された制約の多いものです。スーツに代表されるように厳然たるクラシックスタイルが確立していて、デザイナーはそのクラシックを手を変え品を変え新しく見せていく。クラシックとの関係性によってデザイナーの思想まで見えてしまうわけですね。

で多くの場合、例えばクラシックそのものはいじらずにそこにひねりを加えていくポールスミスのようなやり方や、シルエットやディテールを変えていく手法などが多いのですが、プリュスのシームデザインはパターン自体を変えてきているんですね。(大幅ではないですが)

アイデアの源泉は本来裏地側のシーム(縫い代)を表側に持ってくるということなのでしょうが、そのディテールを目立つようにデザインとして面白く昇華して、それに伴い服作りにおけるいせ込みやらも見直してデザインにまとめて取り込んでいるように思います。

01_Plus_1998AW_02
今回紹介したシームブルゾンは、袖、肩、背中、アームホール、パンツは側章部分のシーム(縫い代)が表側に出ています。

01_Plus_1998AW_03
実際に画像を見てみるとわかるのですが、特にアームホール部分は袖側とボディ側の生地量を無理矢理いせ込みまくり、わざと引きつれ(パッカリング)を起こさせている状態です。丁度アームホール部分だけギュッと絞られているみたいな形になっているんですね。
Aラインが更にそれを強調していて、結果として胸部分がきゅうきゅうにキツくなっているのに裾から外に流れるようなシルエットになっています。



またコレクションではツイードのような重い素材感だったのですが、今回紹介したのは期中商品で、往年のギャルソン&ヨウジファン垂涎の黒のウールギャバジン、通称「黒ギャバ」で作られています。
生地感の若干の薄さでシーム自体のディテールは弱まっている感がありますが、シームと引きつれ、それに伴うドレープ感はギャバの方がよく出ているのではないかと思います。
個人的にはギャルソンの黒ギャバの名作の一つだと思っています。



またセットアップのパンツは太いバギーパンツです。今ではトレンド的に見てアウトなシルエットのアイテムではありますが、これも懐古的ですが黒ギャバ好きらしさをかもし出していると思います。
今のギャルソンなどでは、個性派パンツとしてはサルエルパンツなどが流行っていますが、個人的には30超えたオッサンには厳しいものがあり(苦笑)、またバギーパンツの流れが復活してくれないかなぁと思ったりもしています。

全体的にAラインのブルゾンに太いバギーパンツ、そして黒ギャバのドレープ感が、ヨウジにも通じる「和」の雰囲気をかもし出していると思っています。
ですのでこの服に合わせる靴に、あえて「はいからさんが通る」的なショートブーツ合わせたりすることが多いですね。
一緒に出かける女性が着物を着てくるときには、大体このセットアップで着こなすことが多いです。

最後に、ギャルソンらしい派手なガチコーデも考えてみました。



全て10年以上前のアイテムだけで構成したコーデであり、トレンド感はないとは思うのですが、どうでしょうか?
靴はやはり10年前に流行ったマッツァのモンキーブーツ。
それにプリュス1999年秋冬のスカーフエプロンスカートを合わせて見ました。
バッグはマサキマツシマの表側が黒、裏側に赤のレザーを使ったデザインで、スカートの赤を拾っています。
これにハットとベージュのストール合わせる感じだと思います。



今は実際こんなコーディネートで出かけることはまずないのですが(苦笑)、このバギーパンツや黒ギャバのドレープ感は着てみないと中々わかりづらいアイテムだと思います。要望が多くて機会があれば、実際着用画像の掲載も考えてみます。

トレンド度外視、懐古趣味全快のワードローブ紹介でしたがいかがでしたでしょうか?

普段あれだけ言っといてこの程度のコーディネート力かよ(笑)と思った人、お手柔らかにお願いします~。
では、また機会があればワードローブ紹介してみたいと思います。

SNSでもご購読できます。

コメント

  1. ABSINTHe より:

    ギャルソンは日本の服を語る上で避けては通れない存在なので、服が好きな人間で興味がない人の方が少ないでしょう
    こうして過去の名作を、所有している方の視点から紹介されるものは若輩者には非常に参考になります
    特にこういったシルエットの妙を楽しむものは、可能でしたら是非着用したシルエットが見てみたいです

  2. 匿名さん より:

    ギャルソンファンとしてぜひ着用画像がみてみたくなりました。
    私は古いアイテムは持っていないのでうらやましい限りですね・・・

  3.   より:

    ヨウジファンとして着用画像みたいです、特にボトムスの

  4. 素朴な疑問 より:

    ブログやtwitterを見るかぎりAlcesteさんはブランド大好きな方だとお見受けしましたけど、普段着ではデザイナーズブランド以外の服って着ないんですか?
    ちょっと気になったもので^^;

  5. いつも思うんですけど より:

    ブログやtwitterを見るかぎりAlcesteさんはブランド大好きな方だとお見受けしましたけど、普段着ではデザイナーズブランド以外の服って着ないんですか?
    ちょっと気になったもので^^;

  6. alceste より:

    コメントの返信です。
    > ABSINTHe
    > 匿名さん
    > 名無しさん
    やはりオールドギャルソンファン、ヨウジファンにはかなり気になる物のようで、やっぱり着画の希望が多いですね~。機会を見て載せてみようと思います。
    結構着画を撮影するのも難しくて…笑

    > 素朴な疑問さん
    よく勘違いされるのですが、デザイナーズブランド大好きではないと思っています。どちらかというとクラシックなアイテムであわせることが多いですね。普段はほとんどジャケットスタイルです。
    仕事柄ずっとスーツなので、仕事中は普通のスーツ着てますし。ただ最近はオーダーの比率が高くなっています。
    あと部屋着は全てユニクロですね~。

コメントは停止中です。