コムデギャルソン展について


去年の9月くらいの古い話なのですが、「コムデギャルソンのためのコムデギャルソン展」に行きました。今日はそこから受けた影響を考えてみたいと思います。

今回はギャルソンに関連するグラフィックデザインの展覧ということで、実際の洋服類はいっさい展示されていませんでした。

その点はちょっと残念ですが。

ギャルソン好きというよりも普通のアート展のような客層で、思っていた以上に落ち着いて見られました。


量は思ったより多くなく、今まで作られたDMや広告の拡大写真のパネル展示が主体でした。それ自体がコラージュのように、今までの実物のDM類がそこらじゅうに貼り付けられたスペースもありました。

実際にもらって知っていたDMなども展示されていて、結構印象の強かった広告などを思い出したりしながら、自然な感じで見ていけました。

ただ実物DMが貼り付けられたスペースは圧巻で、思わずアートの波にのまれて、めまいがしそうになりました。自分の部屋も、こんなお洒落なDMだらけにしてデザインしてみたいと思ったりして(笑)

よく評論にも書いてあるのですが見ていて驚くのが、普通のブランドにありがちな服に関係した広告やDMが少ないということです。というか物によっては全然服と関係ない…。DMの中に風船とか入ってたりして、なんじゃこりゃ~…って感じです(笑)

これ、本来ならありえない発想なのですね。ファッション雑誌を見ると多くの一流ブランドが広告を載せてますが、直接の商品写真や端正なモデルに服を着せただけの物がほとんど。

極論すれば、はっきりいってアホでも作れる広告ばかりです(斬)

そんな中コムデギャルソンはファッションを売り物にしながら、一方でアートやデザインの琴線に触れる人たちへ向けて、DMや広告を発行しているのですね。

それはギャルソンがグラフィックデザインにおいても先駆者で斬新だというだけでなく、着る人の意識に訴えセンスを問うような、一種の挑戦状のようにさえ感じられました。

ギャルソンという一つのブランドの創作意識の高さを訴えると共に、着る側にも孤高へと登る孤独感と勇気を求めているのではないか…と、そこまでいうと大げさ過ぎでしょうか(笑)

でもちょっと見たりない気分で、次回は実際の服類も飾って欲しいと思いました。

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