ライセンス商品はアリか?(1)


ライセンス商品はアリかナシか?

コアなブランドのファンの中には、「ライセンス商品は本物ではない」なんていう人までいますが、ホントにそうなのでしょうか?今回はそのライセンス商品について考えてみようと思います。

ファッション業界に蔓延するライセンスとは何か?

一言で言うと、「海外有名ブランドと契約し、そのブランド使用とデザイン・製造技術の使用許可を得ること」です。そしてそのライセンス契約を元に作られるのが、「日本独自」のライセンス商品です。


ではなぜライセンスというビジネスが存在するのか?それは日本人特有のブランド志向に由来します。(もちろんライセンスビジネス自体は日本以外でも行われていますが)

世の中、良いものが必ずしも売れるとは限りません。例え良質で誠実な商品作りをする企業でも、その自社ブランドを育成するためには、莫大なマーケティング費用と時間がかかるわけです。

それならば足りないブランドイメージを有名海外ブランドから間借りすればよい…そうして生まれたのがライセンス契約です。

日本企業は絶大な「ブランド力」の人気と知名度により商品の売上げを伸ばし、海外ブランドは労せずしてロイヤリティ(契約料)を得ることができるという、両者にとって有益な契約…だったはずでした。

ところがこれで大失敗してしまったのが、イブサンローラン…。ライセンス管理の失敗により、YSLのロゴがタオルやトイレのスリッパにまで使われてしまい(笑)、結果ブランドイメージを大幅に失墜させることになってしまったわけです。

大手の有名海外ブランドはその失敗を繰り返さないよう、ブランディングによりいっそう慎重を期す様になってしまいました…。

じゃぁライセンス商品はブランドロゴを載せただけの粗悪品なのか?…というと必ずしもそういうわけはありません。

ライセンス契約の管理のしかたにおいては、やはり両者にとっても消費者にとっても良いものもできるわけです。

その最たる例は、服飾業界ではないですが、「東京ディズニーランド」でしょうか(笑)

TDLを経営するのはディズニーとの提携契約をしている、株式会社オリエンタルランドという会社です。(ディズニーの関連会社ではありません) 彼らは莫大な契約料を払いつつも、日本人に合わせたイベントや雰囲気、ショップを常に模索改革し続けており、その企業努力によって顧客を確保し、莫大な収益を上げることに成功しています。

またそこはイラスト一枚にさえ厳しいチェックと修正を入れるディズニーですので(チェック入れすぎだろと思わなくもないが…)、ブランド&キャラクター管理については万全といえます。非常に良いライセンス関係といえるでしょう。

ところがそのディズニー本社自体が資本投入し直接経営したディズニーヨーロッパは、大赤字を出し続けるお荷物になってしまったのです。どんなにマーケティングをしても、その国の風土に合わなければ失敗してしまうという悪い例ですが、日本に関してはライセンスビジネスが本国のブランドビジネスを超えてしまった稀有な例ともいえるのではないでしょうか…。

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