ヴィヴィアン・ウエストウッドを着こなせるのか?


ヴィヴィアン・ウエストウッドはとても多面的なイメージを持つデザイナーズブランドです。

http://www.tsushin.tv/brand/london/vivienne.html
上記解説ではこのように書かれています。
「最近は、時代の風潮に合わせてアグレッシブなスタンスから、フェミニン且つエレガントなモードへとスタイルが変化」

初期はパンクスタイル、アヴァンギャルドだったものが、過去の英国調クラシックを取り込みつつ、更に本来紳士服で使われている技法であるテーラリングをレディースへと持ち込み、非常に構築的で優雅なスタイルを作り上げていきました。
そして今ではモードの女王と言っても過言ではない堂々たるモードブランドと化しています。




しかしそれでも人によって全く印象が異なる、多面的なブランドでもあるわけです。
ヴィヴィアンをオーブが好きでワンポイントで使ってる人もいれば、ヴィヴィアンをパンクとしてとらえている人、フェミニンなファッションと合わせている人もいれば、ロリータ、ゴスロリ等と合わせている人もいる。その許容範囲の広さがヴィヴィアンの魅力の一つでもあるのでしょう。

mixiではデザイナーズブランドで最多の人数を誇るコミュでもあります。

ところが、自分はヴィヴィアンをモードとして着ている人を、ほとんど見たことがなかったんですね。
現状コレクションで披露されているヴィヴィアンウエストウッドのコレクションスタイル(ゴールドレーベル)自体を、着こなしている人は実は少ないのではないか…とも思っていたわけです。

安野モヨコの「美人画報」にヴィヴィアンについての考察が載っているんですよ。長文ですけどほぼ全文抜粋してみます。

「ヴィヴィアンで全身キメている人って、一見カワイイけど、部屋でやかんに水入れてるところとか、カッコ悪いぞ。だからって家に帰った瞬間に「家用くつろぎ着」に着替えてんのも、生活とゆう観点からすると間抜けではないでしょうか。やっぱ。<中略>
以前駒沢通りで見た「全身ヴィヴィアン二人組」を思い出すのです。
前もってお断りしておきますが、ヴィヴィアンの服がどーこー言ってるんじゃないですよ。すごくカワイイし、むしろ好きなくらいなんですけど、その二人は「日本の街」から恥かしいほど浮いていたんです。それがもーなんかカッコ悪! ってかんじで。
もーひとつお断りしておけば、その人たちの格好も「間違えて」たワケじゃないの。けっこうカンペキに着こなしてたほうだと思う。メイクとか髪とかもきちんとしてたし。
だけどそれがまたかえって「カッコ悪い」。なんでか? と考えたんだけど、やっぱ基本的に、コレクションラインのまま街歩くなよってことでしょうか」

かなりの批判ですよね。別にヴィヴィアンに限った話じゃないとは思うんですけど、なんか納得してしまったんです。

それとある意味、ちょっとなめてたんですね。モードとしては評価が高くても、実際に日本の街で着こなすことは無理なブランドなんじゃないのかと。

そんな風に感じていたある日、池袋西武のコムデギャルソン売り場の前を、颯爽と歩いていく女性に目が釘付けになりました。
年の頃は20代前半、なぜ目に付いたのかは、その女性が、ヴィヴィアンのコレクションラインのドレスを着こなしていたからです。
多分バッグなどもヴィヴィアンの物だったのかもしれませんが、何より驚いたのは、その全体の着こなしでした。

その女性は身長が高いわけでもなく、特別スタイルが良かったわけでもありませんでした。

しかし完璧なまでにコレクションラインのドレスを着こなし、更に完璧に着こなしていることさえ相手に悟られないように、その場の雰囲気に調和していたからです。
コレクションラインそのままではなく、きちんと着こなしていた。多分そのまま街を歩いていても、素敵に映ったのではないかと思うんですよ。

その女性を見た時に、ああ、ヴィヴィアンの作る服とは、本来こういう人のためにあるのだと、こう着こなす人のためにあるのだと悟ったんですね。

本来はヴィヴィアンの服はその女性のように着こなすものであって、今まで自分の見てきたヴィヴィアンの着こなしは、実はかなり個性的だったり、テクニカルなものだったのかもしれないと思ったわけです。
その時以来、自分のヴィヴィアンに対する価値観も変わったんですね。

確かにヴィヴィアンのアイテムはひとつだけ取り入れても充分カワイイものだと思います。(ライセンスラインのものでも)
ヴィヴィアンは多面的なイメージを持つブランドですが、もっとモードという側面からも、着こなしてみるのもまた面白いのではないかと思います。

ただひとつ難をいうならば、コレクションラインって、なんであんなにバカ高いんだよ~!(魂の叫び!)

SNSでもご購読できます。

コメント

  1. もり男 より:

    いやいや、東京だったらまだマシだと思いますよ。僕は神戸に住んでるのですが、神戸で全身ヴィヴィアンでキメてたりしたら完全に異性人扱いですよ。アンドメやギャルソン辺りでも大分目立ちます。大阪だと全然大丈夫でしょうけど。

  2. Nachico より:

    こんばんは。
    Vivienneに反応してまたコメントします。

    Vivienneに憧れてお洒落さんを目指し始めた私ですが、「美人画報」を読んでから、日本でVivienne(のコレクションライン)を着ることはやっぱり不可能なのかしら……と思っていたのですが、世の中には素敵な人もいらっしゃるんだなぁと希望が湧きました。

    私に着こなすことが出来るかはわかりませんが(笑)
    これからがんばりたいです。

  3. Alceste より:

    > もり男さん
    神戸には一度旅行したことがあるのですが、とても綺麗でお洒落な街ですよね。
    確かにヴィヴィアンの前衛的なデザインの物は、街に浮いてしまうかも知れませんね~。
    ヴィヴィアンもアンもギャルソンも、シックな物もあると思うのですが、やはり一番とんがったヤツはどの街でも浮いてしまう気がします(苦笑)


    > Nachicoさん
    「美人画報」読まれてたんですね。ヴィヴィアンについての話は確かに考えさせられますよね…。
    ただそれでもコレクションラインの服を綺麗に着こなしている人もいるわけで、決して日本の街に似合わないブランドではないと思っています。
    ぜひ着こなしてあげてください。自分もがんばりますよ~。

コメントは停止中です。