驚愕のオーダースーツ伝説


今日は素人が考え出した、信じられないオーダースーツについて語ってみようと思います。

プロのデザイナーがスーツにアイディアをつぎ込んだ作品は数知れません。

特にヨウジヤマモトなどは、スーツのポケットをがま口にしたり、ボタンホールをファスナーにしたり、ハトメをつけたり、破れた紙を縫い付けたり、ボタンをクリアガラスにしてみたり、とにかくクラシックにも通用するようなあらゆるアイディアをつぎ込んで素晴らしい作品を生み出してきました。

ところがスーツのオーダー業界では、そんなデザイナーズブランドを凌駕するような、素人考えの奇想天外なスーツが作られることもあったそうです。

http://www.vightex.com/index.html

上記のスーツオーダーサイトのお客さんのコーナーをみると、皆さん苦心惨憺色々考えてるなぁと思います。ただここで紹介される以上に変わった注文も多いのだそうで。


例えば裏地に凝る。赤やピンクの裏地なんてのはデフォルトでありますが、中にはテーラーに裏地の生地を持ち込む人も少なくない。そのなかには写楽のエロい四十八手をプリントした生地とか、もはやカタギじゃありえないものもあるそうです(笑)

テーラーから聞いた中で一番すごかったのは、「このスカーフで裏地を作って欲しい」と言って客が持ってきたのは、なんと数枚にも及ぶエルメスのスカーフだったとか。

確かにエルメスのスカーフは、他のブランドの追随を許さないほど高品質の生地ですが、それにしてもとんでもない発想ですよ。ところがこのエルメススカーフ裏地をオーダーする人って結構多いみたいなんですね。そっちの方が驚きです。

そして裏地だけではなく、スーツの基本構造にまで自己流を追及する人もいるとか。

相当な昔話ですが聞いた中ですごかったのは、縦ストライプの生地を斜めに使いたいからバイアス仕立てでスーツを作ってくれという注文もあったそうな…。

これって、コムデギャルソン・オムプリュスが「マジック・オブ・バイアス」というテーマで、生地をバイアスに使ってスーツを作って絶賛されたシーズンがあったのですが、まさしくそれと同じ発想です。ギャルソン以前に素人がそういう発想でオーダーを行ってたってことなんですね。もはやデザイナーズブランドの発想を超えるオーダーですよ。

(ただ普通に考えてバイアスで仕立てると必ずヨレが生じてしまうので、そんなオーダーは受けないというテーラーさんもいます)

いや~でもそういえば、スーツのパターン自体を変えた素晴らしい超有名スーツがあるのを忘れていました。

省エネスーツという負の遺産が(笑)

半そででなく、袖までバッサリ切っておけば、ラフシモンズやギャルソンのようなモードになれたかもしれません…。

ところがこの省エネスーツ、未だに注文する人がいるらしいという噂もあり、意外と市民権を得ているんでしょうか?どんな人がオーダーするのかとても謎です…(笑)
追記

なんと数年前ポエルから、省エネスーツがデザインされていたそうです。今や省エネスーツもモードになっていたとは、驚きですね(笑)

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