縦ストライプの服は本当にやせて見えるのか!?


縦縞(たてじま)の服はやせて見え、横縞(よこしま)の服は太って見えるというのは、もはやファッション業界の常識。

店員さんやファッション雑誌でも、縦縞の服や縦ストライプのスーツの方がスマートに見えるといって薦めています。

しかしその常識、本当に正しいのでしょうか?


縦縞と横縞の見え方の違いというのは、「錯視」という目の錯覚を利用した物なのですね。
ところが実は縦縞横縞の常識を覆すような「ヘルムホルツの正方形」という有名な錯視図形があります。

合同の正方形を二つ描き、片方を縦縞、片方を横縞にして四辺を消してしまうと、縦縞は横長に横縞は縦長に見えてしまう錯覚。

ようは下の図を見てください。両方とも正方形をストライプにした物ですが、左側の縦ストライプは太く見え、右側の横ストライプの方が細く見えるはずです。




実は正方形に限っていえば、「横縞の方がスマート」に見えるわけです。 (驚愕の事実?)
「ヘルムホルツの正方形」を元に、本当は横縞の服の方がスマートに見えるのだ、と異論を唱えている心理学本などもあります。

しかしじゃぁ本当は横縞の方がスマートに見えるのでしょうか?

実はそれも正確とはいえないのです。
本当はスーツやワンピースなどの長い丈の物に関しては、縦縞の方が縦の線を強調し、スマートで身長を高く見せる効果があるといわれています。
しかし縞の幅や着る服の形状によっては横縞の服の方が細く見える場合もあるのです。

縦縞と横縞の印象の違いを説明したサイトがありますので、こちらをよく見てください。
http://venice.mine.utsunomiya-u.ac.jp/online/shiraki/illusion/ilclot_6.html

ここでは結果的に細かい縦縞のワンピースが一番スマートかつ背が高く見えるという結果になりました。ワンピースの丈が長ければ長いほど、その差は明確のようです。

ところが、ワンピース丈が短い場合に限っては、縞の太さによっては横縞の方が縦縞よりスマートに見えるという結果もあります。
上記サイトはワンピースなどの縦長の物に限った実験なので、縦縞有利の回答が出ています。しかし実際Tシャツやカットソーなどの丈の短いものの場合は、(正方形により近いということで)横縞の方がスマートに見えるということもありえるのではないでしょうか。

縦縞の方がやせて見えるという説は、タダの売り文句に過ぎないのかかもしれません。
大切なのはきちんと試着し、あとは結局自分の目で見て判断すること、そしてあまり縦縞云々の話を気にせずに好きな物を選ぶべきなのかもしれませんね。

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